Retro ROM Reader - ファームウェアの更新

Retro ROM Reader - ファームウェアの更新

2025.07.18 2025.07.25

Retro ROM Reader のソフトウェア部分は cartreader をほぼそのまま使っており、またハードウェアも互換性を保っています。そのため基本的には cartreader と同じ手順でファームウェアの更新が可能です。

現時点でもしっかりと実装されており、そのままでも十分使えると思いますが、最新のリリースに含まれる変更を反映したい場合は以下の手順に従ってファームウェアを更新してください。

現在のバージョンの確認

Retro ROM Reader にスロット(どれでもいい)をセットし、microSD カードを差し込んでから電源を入れます。

左側のボタンでメニューを下に降りていき次のページに行くと About というメニューがあるので、右ボタンで選択します。

Retro ROM Reader で About のメニューを表示
実は次のページがあります

About を選択すると、バージョンが表示されます。

Retro ROM Reader で About を表示
最近 V15.0 に更新しました

ここで確認したバージョンをメモしておきます。もしファームウェアの更新に失敗したり、更新後にうまく動かなかった場合に、このバージョンに戻します。

なお、戻すといっても手順は以下と同じで、ダウンロードするソースコードをそのバージョンのものにするだけです。

以下、実際の更新手順です。

Windows の場合

基本的には Mac の場合と同じなので、このあとの Mac の手順をご覧ください。ソースコード(Cart_Reader と libraries)の置き場所も同じような感じでした(C:\Users\ユーザー名\Documents\Arduino)ので、大きな差分はないと思います。 #参考

なお Windows の場合はソースコードなど諸々が入った Portable.zip (詳しくは後述します)に含まれる Arduino IDE が使えます。Arduino IDE のインストール、ソースコードのコピーが不要になるのでこちらを使ってもいいかもしれません。なお Arduino IDE を起動したあとは Mac の手順と同じです。 #参考

Mac の場合

Arduino IDE をここからダウンロードしてインストールしておきます。

Arduino IDE をダウンロード
Arduino IDE をダウンロード

次に cartreader のソースコードをここからダウンロードします。最新のバージョンでいいと思います。なお 7z ファイルは解凍できないことがあるので zip ファイルの方が確実です。

cartreader のソースコードをダウンロード
cartreader のソースコードをダウンロード

解凍したフォルダの中にある Cart_Reader と libraries をフォルダをまるごと書類フォルダの中の Arduino フォルダにコピーします。これで Arduino IDE がそれぞれ認識するようになります。

cartreader のソースコードをコピー
cartreader のソースコードをコピー

Arduino IDE を起動して Cart_Reader を開きます。なおこのようなソースコード一式をスケッチと呼びます。今回は Cart_Reader スケッチに諸々のソースコードが含まれています。

Cart_Reader スケッチを開く
本体の実装、機種ごとの実装などで様々なファイルが含まれています

ここでソースコードを 2 箇所変更します。

まずは config.h です。config.h をタブから選択し、ファイルの冒頭 34 行目あたりに「//#define HW3」があるので「//」を消して「#define HW3」とします(これで有効になります)。

なお、最新は HW5 ですが HW3 を使ってもハードウェア(ディスプレイ、ボタンなど)の制御部分が違うだけで吸い出しなどの機能部分は HW5 と同じです。Retro ROM Reader では HW3 のハードウェア構成を採用しているので HW3 を有効にしています。

config.h を編集して HW3 を有効化
config.h を編集して HW3 を有効化

次に Cart_Reader.ino をタブから選択します。#ifdef ENABLE_OLED が 2224 行目あたりにあると思いますので、その中の display.begin(); の下に display.setFlipMode(1); を 1 行追加します。

art_Reader.ino に display.setFlipMode(1); を追加
Cart_Reader.ino に display.setFlipMode(1); を追加

ソースコードの変更は以上です。以下で実際にアップロードします。

まず Arduino IDE で扱うボードの種類を指定します。Retro ROM Reader は Arduino Mega 互換なので「Arduino Mega or Mega 2560」を選択します。

ボードの種類を選択
Arduino Mega or Mega 2560 を選択

ここで Retro ROM Reader を PC に接続します。USB ケーブルで接続して認識されるとポートが選択できるようになるので選択します。

ボードの種類を選択
Arduino Mega or Mega 2560 を選択

選択するとウィンドウ下部に「Arduino Mega or Mega 2560 on /dev/du.usbserial-110」というような表示が出ると思います。

なお選択できない場合は、USB ケーブルに問題がないか、PC の USB ポートに問題がないか、他の PC や電源に繋いでみて電源が入るか(電源が入るとLEDが光ります)、などを確認してみてください。

接続できていることが確認できたらソースコードを Retro ROM Reader にアップロードしてファームウェアを更新します。ウィンドウ上部の矢印ボタンを押すとアップロードが始まります。

ファームウェアを更新
ファームウェアの更新が終わったところ

アップロードが問題なく終わると上記の画像のように「Done uploading.」の表示が出ます(しばらくすると消えます)。なおアップロードは 1 分くらいで終わると思います。

またアップロードが終わると Retro ROM Reader が再起動します。再起動後はアップロード前と同じように画面が表示され、ボタンで操作できるはずです。

以上です。